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21.鞠子宿 丸子名物茶屋
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宿場
東海道五十三次
21.
鞠子宿 丸子名物茶屋
歌川広重
天保3〜4年(1832〜33)
鞠子宿の現在の風景

写真 二宮銀次郎様(小田原市)
撮影    2000/12/21

鞠子の宿には、名物のとろろ汁を商う店が14〜15軒のきを連ね、旅人達は、これから先の宇津谷峠を越えるため、腹ごしらえをしたという。早春の茶店の景である。

目次
名物のとろろそば屋が代々続いています。 時代が変わっても、昔ながらの味を守っています。 伝統のあるお店がいつまでも続いてます。




鞠子宿の見どころ

丸子宿本陣跡

写真・文   ねこ虎様(北びわこ)
撮影     2001/1/31

古くは麻利子、また鞠子とも書いた。源頼朝が両親の供養の為に創建したと伝 わる誓顔寺があり、境内に豊臣家の老臣片桐且元の墓塔があり、また庭園 の 池に生息するモリアオガエルはよく知られている。





狂歌で下る東海道五十三次


    鞠子過阿部川餅茶府中籠合羽紙子や富士の浅間
 岡部宿から二里、宇津の谷峠を越え、鞠子宿(静岡市丸子)に到着。なにはさておき、さっそく丁子屋でとろろ汁を味わいました。すりおろした味噌仕立ての自然薯を、麦飯にかけて食べます。芭蕉の句「梅若菜鞠子の宿のとろろ汁」は、この地で詠まれたと思っていましたが、違いました。実は大津で作られています。大津藩伝馬役であった芭蕉の弟子、川井乙州(おとくに)が公務で江戸に下ったときの送別の句です。はなむけの句として古今の傑作とされています。
 宿から少し離れたところに連歌師宗長の草庵、吐月峰柴屋寺があります。ここの竹製の灰吹きも名産品です。「吐月峰」と書いて何と読むか。よく漢字クイズの問題に出されます。答えはもちろん「はいふき」。
 丸子から約一里半、安倍川は府中の入り口にある渡し場です。安倍川餅が名物。安倍川上流でとれた砂金に見立てて、きな粉をまぶした餅です。わたしも弥勒茶屋に入って注文しました。「安倍川で馬も黄粉をあびて行」「安倍川もとまると餅も胸つかへ」(川留めのことを”川づかえ”といいます)などの古川柳があります。
 府中宿(静岡市)、ここは駿河最大の宿場で、徳川家康の城下町でした。駿府ともいいます。大政奉還後徳川慶喜が隠居した所です。また、『東海道中膝栗毛』の作者十返舎一九の生まれた所でもあります。名物は紙子・竹細工・足久保茶など。松井章之はここで、つるべ虫籠・夏枕などを買っています。
 駿府には、富士山の神とされる木花開耶姫(このはなさくやびめ)を祭った浅間神社(せんげんじんじゃ、静岡市宮ケ崎町)があります。富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)にならった「浅間造」の社殿が美しく、駿河の日光社と言われています。わたしも、この我が国の美神に参詣していくことにします。ではまた。

寄稿 八代市 ちくたく凡様