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東海道五十三次
41.
鳴海宿
名物有松絞り
歌川広重
天保3〜4年(1832〜33)
現在の鳴海宿の風景
写真・文 流永様(名古屋市)
撮影 2000/12/4
鳴海の宿と北東隣の有松とは、共に紋染の名産地として有名であった。街道沿いに、名産の絞りを売る店が並んでいる。
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有松絞りの店が立ち並ぶ街道は、 380年の歴史を偲ぶことができ、 「東海道五十三次」随一の美観。
鳴海宿
の見どころ
有松・鳴海絞会館
写真・文
流永様(
名古屋
市)
撮影日時 2000/12/4
三浦絞り、手筋絞り、蜘蛛絞り、 巻上絞り、鹿の子絞り、縫絞り等 絞りのすべてを実演しており、当時の 皇太子殿下(平成天皇)も行啓された。
狂歌で下る東海道五十三次
熱田宮畔笠寺観世音鳴海におほき刃物鍛冶あり
有町はしぼり際物池鯉鮒には馬と蚊帳売市四月なり
宮宿から一里余り、鳴海宿(名古屋市緑区鳴海町)に着きました。名物は鳴海絞り。鳴海宿から少し先が有松(緑区有松町)です。このあたりは桶狭間の古戦場。名物は有松絞りです。狂歌に「有町」とありますが「有松」のことでしょう。
鳴海絞りも有松絞りも同じもので、木綿の布を絞って藍染めにし、浴衣地・手拭地などにします。「際物」は、流行のもの、ぐらいの意味でしょうか。有松の町はなまこ壁、格子の家など美しい町並みが続きます。(現在、名古屋市の町並み保存地区になっており、江戸時代から続く染物屋「笹加」の屋敷があります。有松鳴海絞会館のホームページでは有松絞りの模様が見られます)
前にも書いた、熊本藩筆頭家老、八代城主の松井章之の安政三年(1841)の『参府日記』に、次のような記事があります。
「鳴海より絞り染の面々、反物持越候に付数々求め、委細は別帳に
控有り、大坂にて求め参り候白縮緬、大巾弐反・中巾壱反・小巾
弐反、絞り注文いたし(後略) 」
有松では木綿ばかりでなく、絹織物も絞り染め加工していました。有松で手拭を買い、次の宿に向かいます。汗を拭うと、ほのかに藍の香りがして旅情をそそります。
鳴海宿から約三里、池鯉鮒宿(ちりゅう。愛知県知立市)です。さっそく池鯉鮒大明神(知立神社)参拝、マムシ除けのお守りをいただきました。ここは「山車文楽」や「糸からくり人形」などが有名です。三河木綿の集散地で、蚊帳なども売っています。四月末から五月初めにかけて馬市が立ちます。広重の絵にそののどかな風景が描かれています。
在原業平が東下りの途中、三河国八橋(知立市・刈谷市のあたり)で、かきつばたが美しく咲いているのを見て、「かきつばた」の文字を歌に読み込み、涙した所が近くにあります。
名物は蕎麦切、もちろん食べました。次は岡崎宿です。ではまた。
寄稿 八代市 ちくたく凡様